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2006年3月26日 (日曜日)

コンパクトな英文を書き、読み解く技術

日頃、仕事で英語を書く人間は、「短く、短く」ということを心がけており、省けるものはどんどん省いていきます。他面、こうして英文は省くことでコンパクトにするのが普通だという感覚を知らないと、学校文法どおりのフルセットにしか通用しない読解力どまりで終わってしまいます。

特にコンパクトにする際、述語動詞のような活用のない準動詞(動詞のING形やED形、いわゆる現在分詞や過去分詞)が多用されるので、本来の述語動詞との区別がつかず、読んでください、あるいは訳してくださいと言われた場合に、あわてる人が多いという印象を持っています。

そこで、「短く、短く」ということで、どういったことが普通行われるかをご紹介しようと思います。ちなみに、文法書では、このように簡略化する習わしを指して、reduction と言っています。

★ 形容詞節中のWHO IS/WASの部分は落とす。つまり、関係詞とBE動詞を落とす。

The CEO, who was a failure as a manager, was re-appointed for some reason unknown.(最高経営責任者は、経営者としては失格だったが、どういうものか再任された)
  ↓
The CEO, a failure as a manager, was re-appointed for some reason unknown.

なお、こういった非制限用法の形容詞節を訳すときは、The CEO--a failure as a manager--was...という感じを出すために、制限用法の形容詞節を訳すときと同じように「経営者としては失格の最高経営責任者」という形で訳すよりは、「最高経営責任者が(経営者としては失格だったものの)どういうものか再任された」あるいは、上の訳例のように、「最高経営責任者は、経営者としては失格だったが、どういうものか再任された」とする方が原英文のニュアンスを伝えることができるものです。

★ 形容詞節中のWHO+動詞の部分は、WHOを落とし、その動詞のING形で置き換える。

Those who work long hours are not necessarily productive.(長時間働く者は必ずしも生産的ではない)
  ↓
Those working long hours are not necessarily productive.

★ 副詞節中のWHEN+主語+動詞については、WHEN+その動詞のING形で置き換える

When you file for a business license, you can use a business name or the official title of your business.(事業免許の申請をする場合は、営業上の名称と会社の正式名称のいずれかを使える)
  ↓
When filing for a business license, you can use a business name or the official title of your business.

なお、この file という動詞は、頻出順位を調べる Wordcountで、filedという形をチェックした場合、頻出順位で7750位と、それほど重要でない感じがありますが、実務では、file something for X with somebodyという形で頻繁に使われる必須単語です。

注意点の1 Whenで始まる節の中身が受動態のときは、単純にING形で置き換えればいいというのではないので、ちょっと注意が要ります。第一に、主語を落とすところまでは一緒ですが、BE動詞の部分をも落とした上、ED形を使います。こういうことです。

When she was told to toe the company line, she walked out the door, slamming it behind her.(会社の方針に従うようにと言われたところ、彼女は、ドアをバーンとたたきつけて部屋から出て行ってしまった)
  ↓
When told to toe the company line, she walked out the door, slamming it behind her.

注意点の2 時間の関係を表す after, before, since, while といったものが入っている副詞節での受動態については、やはり主語を落とすところまでは一緒ですが、そのあと BE動詞をING形に変えて使います。

After she was told to toe the company line, she started looking for a new job.(会社の方針に従うようにと言われてからは、彼女は転職先を探すようになった)
  ↓
After being told to toe the company line, she started looking for a new job.

こうした、after, before, since, while などは前置詞ですから、前置詞の目的語に動詞を持ってくるときは、ING形を使うという理屈が働いているだけです。この点は、次の項の時間を表す副詞節を短くする場合に前面に出てきます。

★ 時間・時期を表す副詞節を短くする場合、AFTERなどで始まるなら、ING形で置き換える。

After the investigation panel had examined further evidence, it reversed its initial finding and decided to reinstate the employee on suspension.(さらなる証拠を調べたのち、調査委員会は当初の事実認定をくつがえし、停職となっていた従業員を復職させる決定をした)
  ↓
After examining further evidence, the investigation panel reversed its initial finding and decided to reinstate the employee on suspension.

ポイントの1 Afterで始まる節の主語を落とし、さらに動詞句の部分について、助動詞(ここでは had)を落とす一方で、動詞をING形で置き換えます。但し、フォーマルな文書の場合は、元が過去完了であったことに対応して、Having examined further evidence というふうに、Having + ED形を使います。

ポイントの2 Afterで始まっていた節を前置詞句に書き換えるに当たっては、当初、Afterで始まる節に investigation panel と主語があった関係で、後段では、it という代名詞で済ませていたものを、書き換え後は、先行する前置詞句に主語が登場しなくなる以上、主節部分に主語である investigation panel を追加しなければなりません。

ポイントの3 先行する従属的副詞節を短くできるのは、従属的副詞節(主語と述語動詞をそなえてはいるが、afterなどで始まるため単体では立ちいかないもの)と主節(それだけで通じる主語と述語のセット)の主語が同じときだけです。違っているのに、敢えて短くしてしまうと、「Dangling modifierという古典的文法ミスについて」で取りあげた、dangling modifier という失敗を犯すことになります。

After she had violated company polices for a number of times, I decided to fire her.(彼女が何度も会社の基本方針に反する行為をしたのち、私は彼女をクビにすることにした)

という一文を考えるに、これを上で述べた方式で、先行する従属的副詞節につき、主語を落とし、さらに動詞句の部分につき、助動詞を落とした上その動詞のING形で置き換えると、次のようにおかしなことになってしまいます。

[駄目文です→] Violating company polices for a number of times, I decided to fire her.(何度も会社の基本方針に反した後、私は彼女をクビにすることにした)

こういった場合は、前置詞句の意味上の主語と主節の主語とが一致するよう、以下のように書き換える他ありません。

I を中心に構成するなら…

Observing her violations of company policies for a number of times, I decided to fire her.

これならobserveの主体とdecidedの主体がともに I になり、問題ありません。

She を中心に構成するなら…

Violating company policies for a number of times, she was fired.

これも、violate した主体と be fired される人が一致するので、dangling modifier の問題が生じません。


dancer

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