なぜ "today's the best news" は変なのか(ビギナー向け)
横文字を使うとアクセントになるという発想なのでしょうが、ときおりテレビの画面に不思議な英語が映ります。寝しなに何気なくつけていたテレビだったので、うろおぼえでしかありませんが、何かのランキングを発表している番組で " TODAY'S THE BEST 何とか" というタイトルが使われていました。
なるほど、70年代のベストヒットなどは、the best songs from the 70s と言ったりしますから、the best 何とかの部分はわかるのですが、所有格の today's と 定冠詞の the は一緒には使えないというルールというのは意外と意識されないのかも知れません。実際、「自分が一番気に入っている曲は」という意味で、My the best song is...と言っているケースに出くわしたことがあります。
そこで、今回は、名詞の頭につく限定詞 (determiner) と呼ばれる言葉のグループが互いにどういう関係にあるかをちょっと整理してみようと思います。ここで限定詞というのは、名詞を軸とした言葉のグループ(名詞句)の頭に付いて、その名詞が表しているものにつき、
(A1)all the employees(すべての従業員) のように、その全部なのか一部なのか (all of, both of, half of) を示し、
(A2)twice a week delivery(1週間に2回の配送)、double their previous income(従来の収入の2倍)のように、回数や倍数を表すものを言います。
(B1)a や the などで、その名詞の表しているものがカテゴリーとして扱われているのか、あるいは特定のモノ・コトを指しているのかを示す冠詞、
(B2)this, that, those などの指示代名詞、
(B3)my, your, his, her, its, our といった所有格の代名詞、
(B4)some, any といった不定量を示す言葉なども、やはり限定詞です。
そして、最後に、
(C1)one, two などの基数
(C2)first, second などの序数
(C3)序数によってではなく、last, next という形で順番を示す言葉
(C4)few, less, many, more などの数量的な比較を示す言葉
も限定詞の仲間です。ここでは主なものしか挙げていませんが、この程度おさえておけば、基本としては十分です。
ところで、もうお気づきのとおり、こういった限定詞は、名詞の頭に付く際の位置関係に応じて、三つのグループに分けることができます。先頭グループがA、真ん中グループがBで、最後尾グループがCです。以下のとおり、Aグループに属する限定詞、Bグループに属する限定詞、Cグループに属する限定詞の順に並べ、終点がこれらの限定詞が修飾する名詞となります。
all of the last eight years = all of[← A]the [← B]last eight [← C]years [← 終点としての名詞]
ここでの第一のポイントは、限定詞の並び順が必ず、このA、B、Cの順だということです。したがって、
NOT the all employees BUT all the employees
NOT a twice week delivery BUT twice a week delivery
NOT our half of our products BUT half of our products
NOT two those products BUT those two products
ということになります。
第二のポイントは、AグループとBグループの場合、各グループが占める位置内では、一つしか同種のものを使えないというルールのあることです。相互に排他的なのです。
Aグループで言えば、all half the employees は駄目です。どちらか一つに決める必要があります。
Bグループで言えば、冠詞と所有格の代名詞を一緒には使えませんから、my the best song などという言い方はできず、my best song か、the best song のどちらかにしなければなりません。同様に、all the our employees といった言い方も駄目です。
言うまでもなく、グループが違えば一緒に使えますから、Bグループの his とCグループの many を一緒にして、his many friends という言い方はできます。
このように、AとBに関しては、同一グループ内のものを二つ一緒に使えませんが、対照的に、Cグループ内では同種のものを複数使えるので、for the next two minutes (今から2分間)といった言い方ができます。
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